2021.09.16
Webデザイナーの創造意欲の守り方

こんにちは!デザイナーの堀内です。

皆さんは「自慢」についてどのような意見をお持ちでしょうか?家族、友人等…周りの人間に対して「したくてする人」もいれば「無意識にしちゃう人」もいますよね、あんまりいいイメージを持たれていない「自慢」ですが、ぼくも否定的な意見を持っていながら、無意識的にやっちゃってるのかもな〜とドキドキしながら書いています。

先日、外山滋比古著『やわらかく考える』という本を読んでいたら、こんな一文が出てきました。

自分の手柄話はあまりにも語って楽しいから、つい甘くなって吹聴して、思わぬ損をしている。自慢したいというエネルギーを密閉すれば、おのずから精神力は充実、高揚して新しいことに立ち向かう活力を生む。

『ハイ、すいませんでした』と背筋がピシっとなりそうな言葉です。でもこの『やわらかく考える』を読んだときに、腑に落ちているようで、なんか妙にひっかかっていた自分がいました。というのも、「自慢したいエネルギー」が「新しいことに立ち向かう活力」に変換されていく過程みたいなものをクリアに見ることができていなかったように思います。

この本を読んだことなど忘れて、ぼ〜っとしていたある日の昼下がり、こんなことを考えていました。

「デザイナーにとって大切なこと。それは、知識や技術だけではなく、創造意欲なのではないか。」と

時代の流れについていくためにたくさんインプットしたり、アイデアとかひらめきとかも重要ですが、「なにかをつくりたい」という根源的な欲求が枯渇してしまったら、仕事のほとんどが苦痛になってしまう職業だと思ったのです。

このことに気付いてから、あの一文の「自慢したいエネルギー」と「新しいことに立ち向かう活力」の因果関係がクリアになってきました。

自慢=今の自分に満足→創造意欲の低下

デザイナーという職業は、ひらめき!とか、キラキラした表現!や、生まれ持ったセンス!みたいなことが大切だと思われがちですが、意外とやっていることって地味〜〜〜な作業をコツコツと。いや、『コツコツコツコツ…』と手を動かして『ぼーーー』っと考える。みたいな時間が多く必要だったりします。

そんな一見つまらなそうな時間を支えているのって「納得感・満足感への渇望」だと個人的には思っています。正直デザインってめんどくさいんですよね。終始楽しんで出来るタイプの人もいるとは思いますが、ぼくはめんどくさいと素直に思っています。ただ、めんどくさいからといって「手をぬきたくない」し「良くないものは作りたくない」んですよ。なぜなら自分が作ったものに「納得・満足」できないことが大嫌いだから。そしてぼくはこの「渇望」こそ、自分を前に進めてくれるガソリンなんだと思っています。ちょっとしんどいけど。

でもこの渇きを潤してくれる別の方法があるのをぼくは知っていて、それが「自慢」なのだと思います。

自慢とは相手がいて初めて成り立つ行動であり、第三者のリアクションを知ることができます。自慢することによって、仮に「良い評価」を得た時の気持ちよさは何にも変えられない。その気持ちよさこそ「自分に納得できる」「自分に満足できる」という潤いを与えてくれるのです。

その時点の自分に満足してしまったら、成長・変化・経験・学習・失敗、どれもする必要がなくなってしまう気がして、そうなると「創造意欲」がどんどん低下していくのではないかと分析しました。つまり、外山滋比古先生が言う”自慢したいというエネルギーを密閉”というのは、現状に満足して漏れ出てしまう「創造意欲」を守り抜くことなのだと思います。

これからは、自慢するのではなく、家で一人でこっそりと自分のことを褒めてあげようと思います。

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